【学生による企業取材記事】熊本ソフトウェア株式会社身体障害者ソフトウェア開発訓練センター

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※この記事は、熊本大学の学生団体 Kumarism が作成したものです。

今回は上益城郡にある、「熊本ソフトウェア株式会社身体障害者ソフトウェア開発訓練センター」さんにお邪魔させていただきました!

【目次】

1. 身体障害者ソフトウェア開発訓練センターとは??

2. 求める訓練生像とは?

3.身体障害者ソフトウェア開発訓練センターの魅力

4.訓練生の1日

5. ここが気になる!Q&A

6.まとめと企業情報


1. 身体障害者ソフトウェア開発訓練センターとは??

熊本県立高等技術専門学校の委託を受けて、熊本ソフトウェア株式会社が平成7年に開設した職業訓練センターです。コンピュータを活用した業務への就職を希望される障がい者の方のために、専門的な知識習得や即戦力となるための実践的な実習を行っています。

入校後、半年間はパソコン活用の基礎を学び、その後応用として「CAD設計・デザイン制作・アプリケーション作成」のうち一つのグループで技能習得を目指します。

共通訓練として、パソコンの専門技術だけでなく、ビジネスマナーや文章作成の講習も用意されています。

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【CAD設計】

コンピュータを用いた設計技術の習得を目指します。施設には3Dプリンターも設置してあり、コンピュータ上で設計した部品を立体モデルとして製作することもできます。

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【デザイン制作】

DTP(紙媒体のデザイン)とWEBの二つに分かれています。

訓練センターのパンフレットの表紙なども訓練生が実際に制作したものが使われているそうです。

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【アプリケーション作成】

プログラミングやデータベース活用の技術の習得を目指します。

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2. 求める訓練生像とは?

入校には選考試験を受験する必要がありますが、あくまで入校希望者がどういった特性を持っているか把握するためのものであり、コンピュータに関わる専門的な知識・技術を事前に持っておく必要はありません。2年間の訓練を受け、最終的に就職するという目標と意志を持っていることが最も大事だそうです。

入校前に一つ心がけておいた方がよいことは、生活リズムを整えることです!訓練センターでは時間割に沿って学習するため、通うためには規則正しい生活が必要です。通う前から少しずつ習慣づけておくと、入校後の生活がスムーズに行えるかもしれません。

3.身体障害者ソフトウェア開発訓練センターの魅力!

学びの場というだけでなく、就職を真剣に考えてくれるのが訓練センターの魅力です。本人が希望する就職先の技能に合わせたカリキュラムを行ったり、企業に訓練生を紹介したりするなど、就職することに重きを置いて2年間過ごすことができます。

訓練生一人一人に対応してくれるのもセンターの魅力です。例えば、就職活動に時間のかかる訓練生には前倒しで就職活動を進めてくれます。ほかにも聴覚に障がいのある人のために先生が話したことをモニターで文字化する機械を導入するなど、訓練生に合わせた環境が整っています。就職や日常生活に不安がある方でも大丈夫です。

平成30年からは身体障がい者の方に加え、精神・発達障害の方も受け入れを開始しました!

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4.訓練生の1日

訓練センターの日課は以下の通りです。

朝礼  9:00~9:20

1限目 9:20~10:10

2限目 10:20~11:10

3限目 11:20~12:10

昼休み(50分)

4限目 13:00~13:50

5限目 14:00~14:50

6限目 15:00~15:50

7限目 16:00~16:50

終礼  16:50~17:05

月~金曜日(祝祭日は除く)

放課後の時間は自主学習も可能となっています。

5. ここが気になる!Q&A

熊本ソフトウェア株式会社の船津丸さんに訓練センターに関する質問をお尋ねしました。

・入校希望者はどのような地域からが多いですか?また、入校希望にあたって地域の制限はありますか?

地域による制限は設けていません。これまでで一番遠くだと東京から来られた訓練生もいるんですよ!ただ基本的には実家から通えるよう、県内(熊本市内、東区周辺)から来る訓練生がほとんどです。なかには荒尾・八代から車で通われている場合もあります。

・精神障がい者の方も入校できるようになったとのことですが、訓練内容、形態は変わりませんか?

訓練内容、形態に変化はありませんが、生活リズムの管理はチェックシートに記入してもらい、内容によっては適宜面談を行ってケアする体制を整えています。また精神保健福祉士もおり、訓練性とコミュニケーションをとる機会を多くとるようにしています。

・センター卒業生の就職先(仕事内容)はどのようなものがありますか?

例年、専門的な技術を生かした就職は各コースから1名ずつほどです。その他は事務職としての就職が多いです。近年はパソコンを活用した仕事(非専門)への就職が増えてきています。

・熊本県障がい者技能競技大会への参加について、毎年どれくらいの訓練生が参加していますか?

毎年パソコン活用の部門で訓練生全員が参加しています。入学したばかりの1年次はワードプロセッサー、その後2年次には表計算・DTP・機械CADの部門で参加しています。2021年度は1名が表計算部門で県代表として選ばれました。

・入校後、訓練生同士が関わる機会は多いですか?

毎年11月に同窓会を開催しています。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて近年は開催できていませんが、コロナ禍以前の開催では約40~50名が参加していました。センターを卒業した後も訓練生同士で親交を深められる良い機会だと思います。

・聴覚障がいの方には音声変換システムを利用した授業が受けられるようになっているとのことでしたが、その他授業を受ける際どのようなサポートが準備されていますか?

聴覚障がいの方には音声変換システムのほか、手話スタッフによるサポートを行っています。視覚障がいの方にはモニターの準備や個人にタブレットを渡すことで写真や文字を拡大してみることが出来るようにしています。その他、障がいに合わせて個別にサポートを行っています。

・技能習得のグループ分けはどのように行っていますか?

入校後、半年を過ぎた頃にアンケートや面談を行い、CAD設計・デザイン制作・アプリケーション作成のなかから第二希望のグループまで確認しています。出来る限りその希望に応じたグループ分けになるようにしています。

・訓練生の交通手段は何ですか?

自分で車を運転して通っている方が一番多いです。3割ほどは公共交通機関、2割ほどは家族の送迎で通われています。

・完全対面型なのですか?

新型コロナウイルスの影響を受け、特例としてリモートでの訓練も行いましたが基本的には完全対面型での訓練となっています。

6.まとめと企業情報

いかがだったでしょうか?熊本ソフトウェア株式会社身体障害者ソフトウェア開発訓練センターでは就職という目標に向けて専門的なパソコン活用技術を学ぶ訓練生に様々なサポートが準備されています。なかにはデータ処理の技術を応用して野球の打率を分析していた訓練生の方もいらっしゃいました。自分が興味のある分野と関連させて作品制作に取り組めるのも魅力です。訓練センターで学ぶことは仕事ではもちろん、実生活にも生かせることばかり。今回の記事を読んで身体障害者ソフトウェア開発訓練センターのことをより詳しく知りたいと思われた方は、ぜひ公式ホームページなどもご覧ください。

熊本ソフトウェア株式会社身体障害者ソフトウェア開発訓練センターの皆様、お忙しい中取材にご協力くださりありがとうございました。

<企業情報>

熊本ソフトウェア株式会社

身体障害者ソフトウェア開発訓練センター

e-mail:training@kmt-ics.co.jp

TEL 096-289-2100 / FAX 096-287-2019

〒861-2202 熊本県上益城郡益城町田原2081-28

公式ホームページ

https://www.kmt-ics.co.jp/training/


※この内容は取材時(2022年2月)の情報です。その後変更となっている場合があります。

※この記事は、熊本大学の学生団体 Kumarism が作成したものです。

Kumarismについて、詳しくはホームページへ→https://kumarism.jp/

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