コラム【なすびのひとりごと】vol.7 11/18公開

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~若者の就業意識は?~

コロナウイルス禍で新卒者の就活を取り巻く環境は変化しているという話を聞くことが増えています。

厚生労働省と文部科学省の調査によると、大卒では、2020年春が過去最高の98.0%の就職率だったという報告があります。一方、リクルートキャリアによると、2021年春卒者の9月現在の内定率は昨年より8.7ポイント下がって85%にと止まっているという報告があります。さらに2022年春に就職を控えている方は、インターンシップもWEBが常態化しており、不安を抱えていることと思います。

今回は、学生が就職を決定するときに何を重視するかについて分析したいと思います。

同じ質問をした3つの調査があります。いずれも就職を決定するときに重視するものを4つ以内回答しなさいという設問になっています。

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「今回調査」は、私の授業を受講している学生約 150名(1年生中心)の結果です。「就活生調査」は、2016年度に翌春卒予定の熊本大学の県内企業限定就職説明会に参加した学生約90名の結果です。「熊本県調査」は2015年度に県内の大学、専門学校生約600名を対象にした結果です。

母集団の性格が異なりますから単純比較するわけにはいきませんが、大きな傾向は一致しているように思います。就活で企業訪問する際は、「業務内容からやりがいを感じる」とか「自分が身に着けたスキルを活かしたい」といったことを志望動機にする学生が多いかもしれませんが、「職場の人間関係」「給与・賞与・昇給」「福利厚生」を重視する若者が多いようです。この傾向は、就活中の学生だけでなく、入学したばかりの1年生でも同様の傾向が見られます。リーマンショックを小中学生の時に経験した若者は、しっかり現実を見据えているのかもしれません。

しかし、人生の1/3以上を占める「仕事」時間をいかに有意義で楽しいものにしていくかを考えることも必要ではないでしょうか。

これから数年間は、「売り手市場」から「買い手市場」に変わる可能性が高まっています。このような時期こそ、どの会社にするかということだけでなく、仕事の意義、過ごし方を考えるべきではないでしょうか。

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