≪“有効求人倍率”ってなに?≫
有効求人倍率って聞いたことがありますか。「有効求人倍率は、企業からの求人数(有効求人数)を、公共職業安定所(ハローワーク)に登録している求職者(有効求職者数)で割った値です。求職者1人に対して、何人分の求人があったかを示すもので、求職者数よりも 求人数が多いとき=人手が不足しているときは、有効求人倍率が1を上回り、逆のとき=就職難のときは1を下回ります。」というのが、一般的な説明です。最近10年余りの動向をグラフにしていますが、熊本地震を境に1.0を超えています。熊本県は、過去30年以上にわたって1.0を超えることはほとんどありませんでした。全国的にも戦後70年余りの期間で、高度成長期と言われた1960年代からオイルショックの間、バブル経済といわれた1990年前後、リーマンショック前のいざなみ景気の時期だけです。
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言でGDPは過去最大の減少となるなど非常に厳しい状況にも関わらず1.0を超えています。本来、有効求人倍率は、景気一致指数と言われていましたが、最近、そうではなくなっているようです。
最近10年のデータを見ると、企業からの求人数は約2倍になっているのに、求職数は約40%減少しています。民間の就職支援・斡旋会社がさまざまなサービスを提供しています。失業したらハローワークに登録して仕事を探すというのが当たり前という時代ではなくなったということでしょうか。むしろ、優秀な人財であればあるほど失業することなく転職することができるようになっています。
ハローワーク中心で採用していた時代は採用コストをかけないのが常識でしたが、今は、優秀な人財を採用するために、いかに効果的な投資を行うかが鍵になっているように感じます。
大企業のように毎年たくさんの人材を採用しているなら、ある程度採用活動に資金注入するのは負担にならないかもしれませんが、少数しか採用しない中小企業にとって採用活動の在り方は、これまで以上に重要になっていると思います。