コラム【なすびのひとりごと】vol.19 2021/6/7公開

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公務員試験を目指している方へ

公務員をめざしている方は、一次試験に向けて追い込みに入っている方も多いでしょう。40年余り公務員生活を過ごした私にとって公務員試験も随分変わったと感じています。40数年前は、オイルショック後の不況の影響もあり、公務員志望者は多く十数倍は当たり前、40倍を超えるものもありました。しかも私が受験した熊本県庁は一次試験重視で二次試験に臨んだ時には採用定員の人数しか残っていませんでした。

今は熊本県庁も面接重視になっており、三次試験まであるようで一次試験合格者発表時点では3倍程度までしか絞り込んでいないようです。中には人物重視を前面に出してSPIなどの適性検査と面接で選考するという自治体も増えているようです。

早い段階から公務員をめざしている方の中には、コロナウイルス禍の影響で公務員志望者が急増しているのではないかと心配している方がいるかもしれません。

しかし、マイナビが今年3月に公表した「2022年卒公務員イメージ調査」でも公務員志望者は増加しているとの結果になっていますが、微増といえるものです。内訳をみると国家公務員志望は横ばいですが、地方公務員、特に市町村希望者は1割程度増えているようです。一方で教員希望者が減少しているのはとても残念に思います。

また、公務員志望に影響を与えた人物として親を挙げた方が5割近くに達しています。これは今も昔もあまり変わらないように思います。私自身のことを考えても農家の長男である私に両親は就農を期待していたようですが、当時、天災で厳しい経営環境だった農業はやりたくなくて経済学部に進みました。しかし、就職先を考えるときには合格するとは思っていませんでしたが、せめてもの罪滅ぼしに公務員試験だけは受けようと思いました。当時、民間企業の採用試験は4年生の10月解禁で10月1日に訪問した企業の内定がもらえる確率が高かった頃なので、県一次採用試験合格後には企業訪問にも臨みました。自分の人生ですから決めるのは自分自身ですが、最後は育ててくれた両親はどちらが喜ぶかが決定要因になったように思います。

長い公務員生活を経て今どう思うかというと、もちろん生涯給与や退職金、年金などでは大手企業に就職した同級生の方が随分良いように感じます。しかし、在職中の実績(施策や施設など)や一緒に汗をかいた同僚や関係者と今も付き合いながら仕事ができていることを考えるとよかったと感じています。公務員はコンプライアンスや説明責任が問われます。どうぞ公務員をめざす方は、国民、県民、市民などステークホルダーの方々の役に立とうという”志”だけは常に持ってください。それが公務員試験で成功するためのポイントではないでしょうか。

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